投稿者:
はたぼー R
ふと。
最近、「冒険」をしていないことに気づいた。
それは命なんて全然かけない、ちょっとした好奇心にかられた、ちょっとした冒険。
小さいころ、いつもは右に曲がる道をまっすぐに行ったときの、ワクワクした気持のような。
それに気づいたとき、オートバイに乗って冒険に出ようと思った。
年甲斐もなく、自分の中の男の子が騒ぎ出したような気がした。
数学科の先輩であるムラセ先生と本部のハギワラさんが一緒に行ってくれるという。
一人より、仲間がいる方がやっぱり心強い。
冒険の作法として一番大切なことは、「行き先を決めない」ということ。
今回の目的地は「なんとなく北のほう」だ。
道中で目的地を決めた。福井県の半島の先に、樹齢1300年の巨大ソテツがあるらしい。
冒険の目的地としては、なかなか、燃える。
たくさんのトンネルを抜けて、断崖絶壁の道を走って、北へ進む。
途中すれ違うライダーたちと、お互いの旅の無事を願って会釈を交わす。
普段歩いているときはこんなこと絶対にしないのに、単車乗りって不思議な生き物だ。
ふと、道路標識の地名に目が止まった。これまでありふれた田舎の地名が続いていたところに、
常神(つねかみ)、という文字が出る。「いつも神がいる」ってことだろうか。
止まって地図を確認すると、そこが目的地ということがわかる。
常神という土地にある、巨大ソテツ。ますます冒険気分が高まる。
常神の町(というか村)は、なんの特徴もない漁村だった。
けれど、オートバイを止めヘルメットを脱いだ瞬間に肌で感じた、異様な感覚は今でも覚えている。
時間の流れが明らかに違う。田舎だから、というわけではない。
神様が、ここだけ時間がゆっくり流れることを赦しているような、不思議な感覚に陥る。

海を覗きこんでいるのは、ムラセ先生。海の水の透明度がすごい。海の底までハッキリ見える。
近くに地元のおじさんがいたので、尋ねてみる。
「この先はバイクで進んでもいいのですか?」
「別にかまわんよ。すぐに行き止まりやけど。...その先も一応立入禁止なんだけどね」
「一応?」
近くにいたおばあさんが口を挟んでくる。
「石がたくさんあるけど、その先もずっとバイクで行けるよ」
「そうなんですね。ありがとうございます!」
しばらく行くと、立て看板が。

普通はここで引き返す。いい大人ならなおさらである。
でも、この先に進めば、半島の先端まで行けそうだ。
さっきのおじさん、おばあさんの声を思い出す。
「いっちゃおうか」
と、勢いで出発したはいいけれど(さすがに徒歩で)、足場は大きな石を無造作に並べているだけ。
足を滑らせると、ケガ間違いなしである。
「どんなバイクだったらここ行けたんよ、おばあちゃーん!」と
3人で騒ぎながら、足を滑らさないよう、先へ進む。
半島の先は小高い山のようになっていて、なんとか登ることができた。てっぺんに小さな祠があった。
手を合わせ、視線を上げると、

日本海が目の前に広がった。神様の目線、というと大げさだろうか。
でも足元を見てみると......

やっぱり海水が透明すぎて、海の底まで見える。
高所恐怖症なのを思い出して、足がすくむ。
足をすべらせると、天国行き間違いなしである。
あやうく本来の目的を忘れそうになっていた。そもそも、ソテツなのである。
写真は撮らなかった。札幌の時計台でも写真を撮らなかったのを思い出した。
冒険を終え、改めて実感するのは、冒険をして得られるものは何もないという事実。
大きく自分が変わるわけでもないし、カタチとして何かが残るわけでも当然ない。
ただ、冒険したんだという実感が残るだけ。
しかし、その実感だけを求めてきっとまた
僕は冒険に出る。
...あー、カタクルシイ文章書いてたら、肩コリました!
長ったらしい文章を読んでくださった皆様、ありがとうございますm(__)m